2020年4月19日日曜日

「トータル・パス」霊的進化と人間性の成熟の「道」 第一章 霊的進化の「道」 目覚めの地図 人間存在とは 3つの柱

目覚めの地図

人間存在とは

多層的で多次元的な存在

 私たち人間存在というのは、多層的で多次元的な存在です。一般的な人の目で見える肉体から、目に見えない幾層ものエネルギー体で成り立っています。一言で肉体と言っても、エネルギー体が幾層もあるように、そこには骨格から筋肉、血液、そして骨髄液からホルモン、あるいは細胞、遺伝子、そしてそれらの物質を構成している原子、素粒子の層にいたるまで、多種多様な層を持っています。それはフラクタル構造であり、ミクロな粒子の世界からマクロな外的宇宙に至るまで、この顕現された世界に貫いている原理です。 
 ミクロからマクロまで、数限りない層に亘って存在しているのが人間という存在であり、通常、肉体と言っているのは、そのある部分を切り取って、便宜上肉体として認識しているだけの話です。この霊的進化の「道」では、肉体以下の層に触れることはせず、通常認識されているものとしての肉体として話を進め、主に肉体より高次のエネルギー体を探究していきますが、どこかで、このミクロの宇宙とつながっていくかも知れません。
 
 というのも、ミクロの宇宙を探究している現代の先端物理学である超ひも理論があります。それは、銀河や宇宙など非常に大きなものを理解するための一般相対性理論と、原子や素粒子という非常に小さなものを理解するための量子力学を統合したものですが、その中で、宇宙のある真理が理論上発見されているからです。
 
 一般相対性理論というのは、重力波という重力を表す理論であり、量子力学というのは、強い力の1つ目である原子の内部で陽子と中性子を結び付けている力、2つ目である光、電気、磁力を生み出す電磁気力、そして放射性崩壊を司る弱い力を表しています。原子の崩壊から星の誕生まで、宇宙の全ての現象は、これらの4つの力の相互作用によって生み出されています。物質の最小の単位が粒子ではなく、極めて小さな振動するエネルギーの糸であるとした時、初めて数学的矛盾を抱えることなく、それらを理解できるようになりました。それは、輪ゴムのように伸び縮みし、両端のある、振動している小さなひもです(輪ゴムのように閉じているひももあります。グラビトンという重力を司るひもです)。
 そして、超ひも理論は、10次元を必要とします。空間の3次元と時間の4次元、そこにさらに小さく畳み込まれた(より近く微細な領域に入っていくと現れて来る)6つの次元があり、その10次元で、振動する極小のひもが働いているというものです。数学的計算により、10次元まで微細なところに行った時初めて、数学的矛盾がなくなるのでしょう。
 さらに、その超ひも理論は進化し、M理論が生み出されました。そこでは、振動するひもだけではなく、膜のようなものが現れ、その膜に振動するひもの両端が結び付けられているというものです。この宇宙全体がその膜の上にあり、それははるかに大きい高次の空間の中にあると言います。膜は、11次元の世界で、それを内包する広大な空間は、さらに高次の次元です。今、物理学はここまで来ています。それは、今の段階では実験で証明することのできない領域であり、理論にとどまっていますが、霊的進化によって体験的に理解されることに極めて近づいていることがわかります。この量子力学は、ミクロの世界を理論的に数学的に探究して到達したものです。

 要するに、本当はどこを切り取って探究しても、それはある真理へと到達するということです。例えば、電子と陽電子のように、全ての粒子には必ず反粒子が存在し、それらが次々に生まれたり消えたりしながら移り変わっていくダイナミックな世界を創り出しています。それは明らかに二元の世界であり、無から有、有から無へと絶えず生成と消滅を繰り返している存在のあり方を表していると言えます。

 また、量子力学の中では、人間が観察して初めて量子が粒子性を持つか、波動性を持つかが決定されるというものがあります。つまり、量子が元々そこに存在しているから、人間がそれを認識するのではなく、人間が認識して初めてそこに存在する、ということです。言い換えれば、人間の意識なくして、物質はそこに存在しないということです。
 また、量子力学では、量子テレポーションというものが発見されています。ペアとなる2つの量子を遠く離れた場所に置き、片方の量子を観察した瞬間、遠く離れたもうひとつの粒子に影響を与えるということが実験で立証されています。光の速度を超える速さで、何かが伝達されている訳です。つまり、人間の意識が、量子を存在させ、また、遠方にいる量子に影響を与えるということです。ここから、この宇宙というものは、人間が認識しようがしまいが、元々ここに存在するのではなく、人間の意識によって瞬時に作られているということが導き出されます。

 これは、人間の意識が宇宙の創造主であるという、霊的進化によって得られる体験的理解と合致します。また、創造が11次元で起こり、さらにそれを超えた次元という広大なものの中に内包されている事も、合致します。この量子力学で言う広大な空間が、霊的進化における「神性」の次元です。ただ、それは単なるひとつの次元という意味合いではなく、全ての次元を内包する、途方もなく広大で無限のとてつもないエネルギーの何かです。それは、人間の意識を超えているため、人間に認識することはできません。
 さらに、M理論と霊的進化の合致する点は、まさにその「振動」と「膜」にあります。創造が起こる時、つまり、「無」からある「振動」が起こり、あるラインを超えて物質として「顕現」する時、まず、ばーっと「フィールド」ができ、そこに次々に顕現していくのを体験します。人によっては、その「フィールド」を「スクリーン」、まさに「膜」として体験するのです。

 創造を生み出す力は何なのか?原子と原子を結び付けて物質を創り出している力は何なのか?
 創造が起きる原初の原因、もしくは力は、人間の意識であり、そして物質として形をそこに顕す力は、愛のエネルギーなのです。意識は父なる神であり、創造主であり、「在れ」と発令するものです。愛は母なる神であり、量子と量子をひきつけ合い、結び付け、形成すものです。ただし、意識といっても、創造主である意識の次元は、通常私たちが認識している意識の次元とは全く異なります。といって、全く別のものでもありません。通常感じている意識のコアである純粋意識のさらに奥深くへ入っていった時、創造主である次元へと辿り着きます。

 人間という存在は、その最小の振動するひもである層から、その創造を内包する最大の「神性」の層に亘り、広く存在するものです。それを全て体験的に理解していくことが、霊的進化です。一般的な意味合いで私たちが存在しているのは、この物質化の次元である地上という3次元、もしくは、時間を入れた4次元の世界です。そこから、11次元を超えたさらに先まで拡大していくことが、霊的進化です。



 


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